- Second -



「なんだよ、これ?」
駿の机に弁当箱を置くと、怪訝な声で尋ねられた。
答えるのは怖いが、話さないわけにもいかない。
「この間はごめん。奢ってもらっておいて悪いんだけど、何ていうか、別れないことになった」
見る間に駿の顔が険しくなる。慎哉と別れると言って駿に泣きついたのはたった3日前のことなのだから仕方のないことだったが。
「ふざけんなよ? もうムリだから別れるって言ったの、金曜だぜ?」
「だから、ごめんって。俺が勝手にダメだって思い込んでただけだったんだ」
「身代わりにされたんだろう? いい加減、目を覚ませよ」
最初から慎哉とつき合うことに反対していた駿に、“イタイ目”に遭ったことを知られて尚、理解してもらうのは困難だった。駿が心配しているような事態も、那緒がそれでもいいと思っていると言えば、もっと怒りをかってしまうだろう。
「だって、好きなんだもん」
「俺に可愛いぶるなよ。そこまで言うんなら、もう泣きついてきたって知らないからな?」
「うん」
「本当に懲りない奴だな……一体、何て言って引き止められたんだ?」
「もう誰にも取られたくないって」
正直に話すと、駿の表情はますます厳しくなった。
「って、やっぱ前の相手を引き摺ってるんじゃないか」
「でも、駿にも責任の一端があるんだからな?」
自分の立場の弱さに、つい口がすべった。
「何で俺が?」
「先輩の家の近くの公園で駿にしがみついてただろ? あれ、誤解されたから」
「そういう誤解はすぐに解けよ!」
「すぐ解いたよ。でも、あれがなかったら先輩あんなに焦んなかったかも」
「抱きついてきたのはおまえの方だからな? 俺のは不可抗力だろ」
「わかってるって。それより弁当見てみて?」
今日は早起きをして、気合を入れて駿の好きなものを用意してきた。鶏のそぼろと炒り卵とさやいんげんの三色丼に、温野菜のサラダとりんごのうさぎ。蓋を開けたら、きっと駿の機嫌も治るだろう。
「おまえって、ほんと俺の扱いを心得てるよな」
ため息を吐きつつも、予想通り駿の怒りが和らいで見えた。
「ごめんな、余計な心配させて」
「もう泣かされるなよな」
「うん」
一応頷いてみせたが、それは那緒にどうにかできることではなさそうだった。





「おいで」
並んで腰掛けようとした那緒を、慎哉は自分の膝に引き上げた。
今までは学校の帰りはいつも那緒の家に一緒に帰っていたのだったが、珍しく今日は慎哉の家に寄っていた。誘われるままに深く考えずについてきてしまったが、慎哉の部屋にはあの日の記憶が残り香のように漂っているようで、あまり居心地が良いとは言えない。
ここを訪れるのがまだ二度目のせいか、思いのほか那緒は緊張していた。どうしても、その甘い雰囲気が連想する事態に、まだ記憶を留めたままの体が怯えてしまう。
「あ、あの、俺、横に座ります」
慎哉の膝を降りて、隣に移ろうと思う那緒を、少し強引な腕が引き止める。
「また敬語を使ってるし」
急速に親密さを増した慎哉に、正直戸惑っている。素っ気なくされることに慣れ過ぎて、こんな風にベタベタと甘やかされるのは落ち着かなかった。
「那緒?」
「はい」
畏まる那緒に、慎哉が不満げな吐息を洩らす。
「俺の言ったこと、覚えてないのか?」
「いえ」
「じゃ、どうしてそんなに他人行儀にするんだ?」
そんなことを言われても、那緒には慎哉のように急に手の平を返したように態度を変えることなどできそうになかった。
二人っきりになった途端に体を密着させて抱擁やキスや愛撫をくり返す慎哉に、正直ついていけない。
「俺は本気になってるのに」
その意味さえわからないのに怖気づく自分は臆病だと思う。でも、慎哉が今までのスタンスを一気に越えて踏み込んで来るのが怖くて仕方なかった。
「那緒?」
答えない那緒の返事を促すように重ねて問われて顔を上げる。那緒を覗き込む瞳に縛られたように体が硬直していくのだと、慎哉にはわからないらしい。
「先輩……」
嫌だ、と言いそうになる声を何とか抑え込む。好きな気持ちに変わりはないが、行為に対する抵抗感は触れられるたびに強くなっていくような気がする。
あんなに近付きたいと思っていたのに、いざ体の関係ができてみると、欲しかったのはそれではなかったことに気が付いた。
「名前くらい呼んでくれないか?」
「すみません」
「思ってたより手強いな」
那緒はこの場から逃げ出さずにいるのが精一杯で、慎哉の嘆息の理由に気付くこともできない。望んでいたはずの、慎哉と向かい合うことがこんなにも緊張するものだとは思ってもいなかった。
「那緒?」
「はい」
見つめられると、指一本も那緒の意思では動かせなくなるように囚われてしまう。
「こっちを向いて」
その少し冷たさを孕んだ綺麗な瞳を向けられて、臆せず見つめ返せる人がいるのだろうか。慎哉が那緒をまともに見ていなかった頃ならともかく、こんなにも一途に見詰められて平然としていられるわけがなかった。
尤も、もし真っ直ぐに見つめ返していれば、もっと早く慎哉の瞳が真摯なものだと気付くことができたのだろうが。
「那緒が思っていたのと俺は違った?」
「え?」
「我慢してるみたいだというか……俺とはしたくないみたいに見えるよ」
「そんなこと、ないです……」
確かに、初めての日は怖くて痛くて悲しくて泣いてしまったけれど。似ていると思うことさえおこがましいような綺麗な人の身代わりとして扱われるのは、那緒には耐え難く辛いことだったから。
「じゃ、いいかな?」
同意を求める熱っぽい声に、魅入られたように頷いてしまっていた。何を問われたのかさえ、那緒には理解できていなかったのに。
ギュッと抱きしめられると鼓動が逸る。
「那緒」
少し張り詰めたような声の理由は、那緒の体を抱いた腕の強さでわかる。
慎哉の長い指が、長めの髪をかきあげるように那緒の頬を撫でた。そのまま上向かされて、慎哉の唇から逃げられなくなる。
最初は啄むように触れては離れる軽いキスが、だんだん熱っぽく深まってゆく。舌先でなぞられた唇が閉ざせなくなり、触れ合った舌を緩く吸われると頭の芯がぼうっとしてくる。
「ん……」
息を継ごうとして洩れる声が色を帯びて響いた。
慎哉の腕に抱かれた体が後ろへと倒されていく。驚いて目を開けると、真上から見下ろしている慎哉と目が合った。
思わず目を閉じてしまったのは怖気づいてしまったからで。決して、これから起こることを甘んじて受け入れようなどという殊勝な気持ちではなかった。
「だ、め」
首筋を辿る唇に痛いほど吸われて、かろうじて声をあげた。
「跡がつくと困るかな」
そんなことは思い付きもしなかった。ただ、慎哉を止めたい思いが声になったにすぎないのに。
怖いと言うのはいけないことのような気がして、ギュッと目を閉じて抑え込む。けして、嫌ではなかったが、那緒はまだその行為が好きだとは思えなかった。



その日から、慎哉は毎日のように那緒を求めてくるようになった。
帰りは那緒の家ではなく慎哉の家に向かうのが当たり前になり、部屋についていくと当然のように行為が始まる。
慎哉は一度として那緒を乱暴に扱ったりしなかったが、どうしても怖いような気がしてしまう。最初に身代わりにされたとか慎哉が不満げだったとかいうトラウマがあるせいか、那緒の行為に対する抵抗感は拭えないままだ。
それまで、那緒に僅かも興味を見せなかった慎哉が、なぜ体に執着するようになったのかがわからない。多少なりとも、那緒が慎哉の気に入ったということだろうか。


「おまえ、この頃やつれてないか?」
「そうかな」
駿の問いを曖昧に流す。
まさか、頻繁に慎哉に求められて疲れ気味だと言うわけにもいかなかった。
「授業中もボーっとしてること多いしな」
「うそ」
「嘘じゃねえって。内申に何書かれてるかわからないぞ」
「やば……」
確かに、自分でもぼんやりと考え事ばかりしてるような気がしないでもない。
「先輩と何かあったのか?」
「ううん。仲良くやってると思う」
「……やり過ぎ、とか?」
一瞬、駿の言っている意味が理解できずに顔を見つめてしまった。目が合うと、顔を赤くして目を逸らした駿が、何を言ったのか理解した。
「ば、ばか」
ついこの間、那緒とはそんな生々しい話はしたくないと言っていたくせに。
「俺の那緒がやり過ぎで疲れてる所なんて見たくなかったな」
「俺の、って何だよ? 俺は駿のじゃないだろ?」
「おまえ本人じゃなくて、俺の思い出のおまえ」
以前、駿の初恋は保育所に入ったばかりの頃の那緒だったと告白されたことがある。かわいいルックスと性別を限定されない名前のせいで、那緒を女の子だと思い込んでいたそうだ。水着の季節になって那緒が男だと知った時、駿の初恋は終わりを告げたらしいが、いまだにそのイメージを崩されることを嫌がっている。ある意味、駿の聖域なのかもしれない。
「思い込むのは駿の自由だけど、俺も年頃の男なんだからな?」
自分で言っておいて、内心ではそう思っていない矛盾を感じていた。慎哉に近付きたいと思っていたのは、体を繋げたかったわけではなかったと気付いたからだ。
かといって、慎哉にそう言う勇気もなく、求められるまま体の関係ばかりが深まっている。そのくせ、義務のように思っていた最初の頃と違い、少しは気持ちが良いと思えるようになっていた。それが余計に那緒を悩ませていたのかもしれない。
駿には強気なことを言ったが、本当は自分でもまだまだ子供っぽいという自覚がある。人並み以上に晩熟だった那緒でも、もっと時間をかけてゆっくり進展させてくれていたら、もう少し順応できたのではないかと思う。
手馴れた風な慎哉に合わせようと焦るほど、そのギャップに落ち込んだ。那緒はまだまだ慎哉に追いつけそうにないと思い知らされるようで。






「那緒」
切羽詰ったような声が那緒を呼ぶ。閉じた目を開いて慎哉の目を見たら、何を問われても頷くしかなくなってしまうのに。かといって、確かめるように何度も呼ばれると、目を閉じたままでいることはできなかった。
目が合うと、那緒の意思まで慎哉に奪われてしまう。それが慎哉に恋をしている所以だということも知らずに、魅入られたように全て許してしまっていた。思えば、一目会った時から、那緒は慎哉に囚われてしまっていたのだった。
髪を撫でる長い指もキスを振りまくのが好きならしい唇も、何もかもが愛おしくて、触れられるたびに体中を幸せが包む。後から気だるさと自己嫌悪に苛まれるとわかっていても、どうしても拒むことはできなかった。欲しかったのは体ではなかったと自分に言い訳しながら、本心ではいらないとは言い切れなかった。焦れたように慎哉に求められる瞬間は幸せで目が眩みそうになる。まるで、世界で一番、自分が愛されているかのような錯覚に陥ってしまうほどに。
疲れて眠ってしまいそうな那緒を腕に抱きよせてくれる時も、うたた寝から目覚めた時も、気が付けば慎哉に見つめられていることがよくあった。
いつから、慎哉がそんな風に優しい目で那緒を見るようになったのか思い出せない。ただ、その顔を見ると泣きそうになってしまうから、いつもすぐに目を閉じてしまう。
余計な心配などしなければ、幸せはとっくに那緒の腕の中にあったことにまだ気がつかないまま。






昼休みは、いつもは弁当持参の那緒と買い出し派の駿は教室で過ごすことが多い。
ただ、今日は他のクラスから弁当を持って集まっていた女子で教室が騒がしく、逃げるように中庭に出ていた。食事だけは教室で済ませていたから、自販機でコーヒーを買って、あまり人目につかなさそうな木陰に並んで腰を下ろす。
駿の肩に凭れてパックのコーヒーを飲みながら、静かで平穏なひとときに幸せを感じていた。
すっかり気が緩んでいたせいか、その言葉は何気なく口から零れた。
「やっぱ駿といる時が一番落ち着くなあ」
「だから、相手が悪いって言ってるだろ?」
駿は那緒を甘えさせてくれず、軽く頭を小突かれる。離れろ、ということだとわかっているから、わざと首筋へ抱きついてやった。
「那緒」
背後から掛けられた声に飛び上がりそうになった。振り向く勇気が出ないのは、聞き慣れた声が慎哉のものだとわかっているからだ。
「俺といると落ち着かない?」
まさしく、最悪のタイミングで居合わせたと言うしかなかった。
「せ、先輩、何で……」
「教室に行ったら、ここだって言われたからだよ」
「言っときますけど、那緒が勝手に抱きついてるだけですから。俺を睨むのはやめてくれませんか」
味方だと思い込んでいた駿に裏切られて、那緒の背中に嫌な汗が流れる。那緒の背後で、慎哉が膝を折って長身を屈めて顔を覗き込んできた。
「那緒はこいつのことが好きなのか?」
無神経とも思える慎哉の言葉に、過剰に反応してキレたのは駿だった。臆する風もなく、慎哉を振り向いて喧嘩を売りにかかる。
「一度言っておきたいと思ってたんですけど。こんな純真な奴を振り回すのはやめてくれませんか」
「男に関して言えば俺の方が疎いと思うけど」
「先輩が今までしてきたような軽いつき合いがしたいんなら他の奴にしてくれませんか。とても那緒の手に負えるとは思えないし、先輩だってこんな子供を相手にするのは面倒でしょう?」
「那緒を子供だと思ったことはないし、振り回されているのは俺の方だよ」
「ふざけるのもいい加減にしてください。那緒がどれだけ我慢してるか気が付いてないんですか?」
「何を我慢してるんだ?」
激昂した駿と対照的に、慎哉は穏やかに問う。答えようとした那緒を遮って、駿が食ってかかった。
「あんたの性欲にはついてけないって言ってるんです」
駿の言葉は思いがけないもので、那緒は制止することもできなかった。
「那緒?」
那緒を振り向く慎哉に、駿はまるで自分のことのように顔を真っ赤にして怒り狂っている。
「那緒みたいな天然記念物的に晩熟(おくて)な奴を相手に無茶させて」
「晩熟? 那緒が?」
「下手すりゃあんたが初恋です」
「まさか」
「俺は保育所の時から那緒と一緒だからわかってるんです。那緒はホント子供っぽくて、ヘンな女に引っかからないように気を付けてたのに、まさか男の先輩を好きになるなんて思いもしなかったから……」
「もしかして那緒が好きなのか?」
「俺にはちゃんと彼女がいますからヘンな心配しないでください。そりゃ、那緒のことは大事だし、困ってたら何でもしますけど。でも恋愛はしない」
ある意味、愛の告白をされるより恥ずかしい。友達というより、もはや父親のようだ。
「那緒は? さっきの返事を聞いてないよ?」
一瞬、何の話だったか考えてしまう。那緒より先に駿にはそれがわかっていたらしく、黙って腰を上げた。
「駿?」
「痴話喧嘩に俺を巻き込むな」
さんざん文句を言いながらも結局は折れるところも、空の紙パックを手にしてから立ち去る辺りも、本当に良くできた奴だと思う。
二人きりになると、慎哉はさっきまで駿がいた場所に移動してきた。那緒の腰のすぐ側に手をついて、表情を窺うように顔を近付ける。
「那緒はあいつのことが好きなのか?」
さっきの返事という意味がやっとわかった。
「あいつって、駿ですか? ないです、絶対」
「どうして?」
「どうしてって、駿は友達だし、考えたこともないです」
「ふうん……じゃ、あいつの言ってたことは本当なのか?」
何が? と言ってしらばっくれてしまいたい。初恋が今頃なことも、一生懸命背伸びをしてきたことも、できるなら那緒だけの胸に閉じ込めておきたかった。
「大体は本当ですけど……別に、振り回されてるとか思ってないし、我慢もしてないです」
慎哉が思いを巡らすように視線を上へ向ける。その間が何とも居心地が悪かった。
「……俺が思い違えてたんだな」
納得したような慎哉とは逆に、那緒には何のことだかさっぱりわからなかった。
「俺は、那緒に誘われてると思っていたよ」
意味がわからず首を傾げる那緒に、慎哉は苦笑する。
「いきなり口説くし、誰もいないって家に誘うし、俺の顔を見て意味ありげに視線を落とすし、何をしても抵抗しないし、慣れてるんだなって」
軽いショックを受ける那緒の頬へと慎哉の手の平が触れる。
「でも、逆だったんだな」
間近で見つめられると、頬が熱くなる。ルックスに恋をしたとは思わないが、一目惚れは否定できない。たとえどんなに冷たい目を向けられても好きだが、やはり熱っぽく見つめられるのが一番ドキドキする。
「先輩」
これから起こることを止めなければいけないと頭では思っているのに、どうしても体は言うことを聞いてくれなかった。いつだって慎哉に逆らえたことがない。それを惚れた弱みと言うのだろう。
少し上向いてキスを待つ唇に、慎哉は軽く触れただけで離れた。理性とうらはらに慎哉の唇を追いかけたくなる。
「ほら、那緒がそういう顔をするから」
囁かれた言葉の意味を思うとまた頬が熱くなる。
「いつも我慢できなくなってしまうんだ」
体を繋げるより、そんな言葉の方がどれだけ那緒を幸せにさせるのか、きっと慎哉は知らないだろう。
那緒の心を見透かしたように、慎哉がやさしい声で続けた。
「でも、これからは那緒にムリをさせないようにするよ」
「そんな、別に、ムリしていたわけじゃないです」
気にやむ那緒の頬が両手で包まれる。息が触れ合うほど顔を近付けてくる慎哉は、もう那緒の言い訳など聞く気はないらしかった。
「キスくらいは毎日してもいいかな?」
「……はい」
流されて頷いてしまった那緒の唇が塞がれると、ささやかな理性が飛んだ。もう、学校だとか外だとか思う余裕もない。
浅いキスを何度かくり返したあと、緩んだ唇から舌を探り合う。慎哉のキスはいつもやさしくて、那緒の思考を鈍らせる。いつしか、那緒の方から慎哉の首に手を回して抱きしめていた。翌日には、その迂闊さを後悔することになるとは知らないまま。


那緒の恋人が有名なのは容姿が人目を惹くからだけではなかったことをすっかり忘れてしまっていた。
まるで、慎哉を好きなのは那緒だけのような錯覚に陥っていたのかもしれない。自分の気持ちに手一杯で、今まで慎哉に泣かされてきた女性たちが那緒をどう思うかなど想像もしなかった。傍目に上手くいっているようには見えなかった頃ならともかく、今の二人は周囲の反感を買ってしまう。
恋愛が当事者だけの問題ではないことを、那緒はまだ知らなかった。



- Second - Fin

【 First 】     Novel  


2回目なんで“セカンド”(それ以降もなさったみたいですけど)。
ということは、次はサードにしないといけないですね……。