- 猫をかぶった仔猫 -



「やっぱ、里桜は面食いだな……」
決して義之に対してではなく呟かれた言葉に苦笑する。やっぱ、の理由の一端が里桜の前の彼氏のせいだとわかっているからだ。
帰宅してすぐに紹介された、二岡秀明という里桜の友人の洩らした台詞はおそらく外れてはいない。
「たまたま男前だっただけだもん」
隣に立っている里桜が、俯きがちに義之のスーツの袖を掴んだ。
「とりあえず座っていいかな?」
里桜の腕を引いて、並んでソファへと腰掛ける。
二学期が始まる前に交友関係を尋ねた時、“一番仲が良いのは秀”と言う里桜に一度家へ連れて来るように言っておいた。尤も、家といっても義之の所ではなく、里桜の実家の方になってしまったが。
里桜が秀と呼ぶ相手の、やや神経質そうな面差しは聡明そうで、里桜と比べると幾つか年上に見えた。或いは、秀明は年相応で、里桜が幼すぎるのかもしれなかったが。
「大人と子供って感じですよね」
義之と会うことを知らなかったらしい秀明は、あまり好意的ではない目を二人に向けた。戸惑っているというよりは、明らかに否定的な意図を感じる。
「そう見えるのは仕方がないと思っているよ。実際の年齢差もあるけど、里桜は幼いからね」
「やっぱ、釣り合わないのかな」
悲しげな里桜に、つい庇うようなことを言ってしまう。


「そんなことないよ、里桜は見た目ほどは子供じゃないよ」
「ほんと?」
斜め下から見上げてくる里桜は、油断すると人前でも抱きしめてしまいそうになるくらいにかわいい。
かろうじてその誘惑を振り切った義之の手に指を絡めてくる里桜の、いつになく甘えたような仕草に驚いた。いつも、人前でのスキンシップを邪険なくらいに嫌がっていたのに。
「僕はそう思ってるよ」
義之の言葉に、里桜は嬉しそうに抱きついてきた。そのまま甘い時間を過ごしたいのはやまやまだったが、あまり心象が良くなさそうな義之としては、そうなる前に里桜を離すことにした。
「里桜、僕にもコーヒーを淹れてくれないかな?」
「うん」
すぐに立ち上がった里桜が、秀明の横を通ってキッチンへと急ぐのを引き止めるように、声が掛けられる。
「……おまえ、すっげ猫かぶってるんだな」
一応、声を潜めたつもりのようだったが、その言葉は義之の耳にも届いた。
「そんなことないよ、いつも通りだもん」
小声で返す里桜の頬が僅かに引き攣っている。
「里桜は学校ではあまりいい子じゃないのかな?」
どちらにともなく尋ねた言葉に、里桜の顔色が変わる。
「いい子だもん」
即答する里桜に、秀明の片手が顔を覆った。口には出さなくても、見ていられないと言いたいのだろう。
夏休みを一緒に過ごし、多少の波を越えてきたとはいえ、義之と里桜が知り合ってまだ3ヶ月と経っていないのだから、お互いに知らない面があってもおかしなことではなかった。


「里桜はちょっといい子過ぎるきらいがあると思っていたけど」
「え、義之さん、いい子嫌いなの?」
義之が言い終わらないうちに里桜が泣きそうな顔で振り向いた。
「好きか嫌いかの嫌いじゃなくて、そういう傾向がある、という意味だよ。知らないかな?」
どちらとも言えない複雑な面持ちの里桜の代わりに、あまりフォローにならない言葉で秀明が庇う。
「里桜は小難しいことは苦手なんです」
「そのようだね」
「それに、里桜はいい子過ぎるなんてこと絶対ないです」
「絶対とか言う?」
「大体、いい子って何だよ?」
上目遣いに秀明を睨む里桜は可愛過ぎる。他の男の前でそんな顔をしないように後で注意しておかなくては、と思っていたら、義之の元へと戻ってきた里桜が腕を掴んで揺さぶった。
「俺、いい子にしてるよね?」
「僕といる時にはね」
「義くん、俺と初対面の秀のどっちを信用してるの?」
義くん、と言った瞬間、秀明がコーラに咽そうになるのが見えた。里桜の友達にしては硬派なのかもしれない。
「この件に関しては里桜を全面的に信用するというわけにはいかないように思うんだけどね?」
義之の胸元を拳で叩くような仕草をする里桜から、秀明が嫌そうに目を逸らした。


「おまえが熱愛中なのはよーくわかったよ。道理でしょっちゅう授業を抜け出してたわけだ」
「もしかして迷惑をかけてたのかな?」
「俺にじゃなくて、里桜の単位が足りなくなったんです。頻繁に学校をサボらせるのはどうかと思いますけど」
どうやら、元から義之には良い印象を持っていなかったようだ。
「あの時はしょうがなかったの」
「浮気なんかするからだ」
義之を庇う里桜にも容赦なく秀明は言い切った。固まる里桜に、義之も返す言葉を悩んだ。
「……前の彼の方が良かったと思うかな?」
「良かったとか悪かったとか言ってるんじゃありません。好きな奴が出来たんなら、ちゃんと別れてから次の相手とつき合えばいいんじゃないですか?」
秀明は随分と頭の固いタイプのようだ。
「あの頃はまだ、お互い自覚がなかったんだよ」
もしくは、認めたくなかっただけかもしれないが。
「そちらはどうだか知りませんけど、里桜はどう見ても好きで会いに行ってるようにしか見えませんでしたけど?」
脂下がる場面ではなかったが、義之はつい不謹慎な笑いを洩らしてしまったらしかった。
「大人なんだから、もう少し考えて行動が取れないんですか?」
「秀」
うろたえる里桜を制して、義之は素直に答えた。


「少し強引過ぎたかなとは思っているよ。でも遠慮していたら僕のものにはならなかったからね」
「……まあ、あの彼氏から取るのは大変だっただろうとは思いますけど」
「秀、いい加減にして」
抗議しようとする里桜を抱き寄せて止めた。心象が悪いと確定した以上、遠慮しても仕方がない。もがく体をとりあえず腕の中に閉じ込めて、先を促すことにした。
「ずいぶん里桜を大事にしていたそうだね」
「良い噂を聞かない奴でしたけど、里桜のことは大事にしてました。毎日、朝と帰りのお迎えは欠かさないし、傍から見ててもベタ惚れって感じで」
「秀」
里桜の妨害を軽く抱き止めて、話を逸らさせないようにする。
「里桜も満更でもなかったのかな」
「最初は押し切られたって感じでしたけど、つき合い始めた途端にしおらしくなってたし、邪魔が入らなかったらずっと続いてるんじゃないですか?」
いくら義之の評価が悪いとはいえ、よもや邪魔とまで言われてしまうとは思わなかった。
里桜の髪を撫でながら、なるべく威圧的にならないように尋ねる。
「里桜は彼の前でも、いい子だったんだね?」
「俺はいつもいい子だもん」
義之の方を向いていても、里桜の視線は見つめ合うのを避けていた。そっと、頬を撫でるようにしてこちらを向くように促す。二人きりならもっとてっとり早く言うことをきかせられるのだったが。


「あの。そういうの、困るんですけど」
秀明の目線が、義之の手元を見る。
「ああ、ついクセで」
仕方なく、里桜の髪を撫でていた手を止める。義之が本当は平然と里桜の元カレの話をしているわけではないことには気付かないのかもしれない。
「あまり甘やかしてると、つけあがるだけだと思いますけど?」
「そのようだね」
とっくに身に沁みてわかっている。意識しているのかどうかは別にしても、里桜が自分に好意的な相手には過剰に甘えかかることも、やさしい相手からの誘惑にはひどく弱いということも。
「里桜の親の前でも、そんな風なんですか?」
「さすがにお義父さんには気を遣っているよ。まるで一人娘を嫁に出すような勢いだったからね」
「夏休みの間は里桜はそっちに行ってたんですよね。二学期になって里桜が戻ってきたから、こっちに顔を出してるんですか?」
「すっかり“マスオ”さん状態だよ」
秀明が訝しげな顔になる。どうやら、里桜は事情を説明していないらしかった。
「……もしかして、こっちで同居するとか?」
「聞いてないかな?僕の所からだと学校に遠いからね、週末だけ帰る予定だよ」
逡巡するように秀明は目を閉じて、しばらく経ってから里桜の方へ視線をやった。
「そこまで話が進んでたのか?」
「うん。俺、元々家庭内カミングアウト済みだもん。お母さんなんて、こんな男前を毎日見えるなんて♪ とか言って喜んでるよ」
「……おまえのおふくろの言いそうなことだよな」
さすがに、それに同意するわけにはいかなかったが。


「緒方さん、里桜のどこが気に入ったんですか?」
「見た目とのギャップかな。子供だと思ってたら、今すぐにでも結婚できそうなくらい家事が得意だったりするしね」
「まあ、いろんな意味で男にしとくのは勿体ないなと思うこともありますけど」
ちら、と里桜を見て、小さく首を振る。
「でも、やっぱ俺には普通の男友達にしか思えないですけど」
そうでないと義之には困るのだが、一応、理由を尋ねてみる。
「学校ではやんちゃなのかな?」
「やんちゃっていうか……見た目と違って気は強いし、すげ食い意地張ってるし」
「確かに、食べるのが好きな子だなあとは思うけどね」
気が強いかどうかは別にして、里桜が食欲魔人で見た目に似合わぬ大食漢だということなら義之も知っている。
「俺、ちゃんと遠慮してるもん」
「遠慮なんてしなくていいんだよ、成長期なんだから」
「里桜は食っても食っても大きくならないんだから成長期じゃないだろ」
里桜が一番気にしていることを、秀明はにべもなく言い切った。絶句する里桜に、更に追い討ちをかける。
「久しぶりに会ったら顔も丸くなってるし、上に伸びずに横に育ってるよな」
「元が細過ぎるだけだよ、丁度良くなっただけだから気にしないで」
庇っているわけではなく義之の本心だったが、里桜は落ち込んでしまったらしい。
「やっぱ太っちゃったんだ」
少し前から自覚があったらしい里桜を、否定し続けてきた義之の努力は一瞬で無駄になってしまった。


「義くんが気のせいだって言うから……」
責めるような口調に、言葉をすり変える。
「あまり痩せ過ぎていると抱き心地が悪いよ」
「でも、一緒に住み初めた頃、ちょうどいいって言ってたよね?」
「それは里桜が大きくなりたいって言ったから、背は今のままでもいいって言ったんだよ。僕は里桜がもっとふっくらしてても全然構わないよ」
「ホント?」
「本当だよ」
ようやく表情を和らげた里桜が、もっと甘えた声を出す。
「じゃ、そろそろケーキ食べていい?」
「いいよ。買いに行こうか」
やっと里桜の機嫌が治ったと思ったのに、今度は秀明が厳しい視線を向けていた。
「甘やかし過ぎだと思わないんですか?見てる方が恥ずかしくなるんですけど」
「そうかな。恋愛中はこのくらい普通だよ」
「二人きりの時は自由でしょうけど、人前でそんなにベタベタするのは鬱陶しいのでやめてください」
本気で迷惑そうな顔に納得しかけた時、里桜が反論する。
「秀がそんな倍ほども年の離れた男なんて信用できないって言うから、俺が今どれほど幸せか見せてあげてるんじゃないか。俺が騙されてるように見える?」
「僕が里桜を騙してると思ってたのか」
ようやく、秀明の攻撃的な態度に合点がいった。


「いきさつを聞いたら、純粋に恋愛してるとは思えないでしょう?」
全てを知っているのなら、秀明の言い分は正しいのかもしれない。
「だからかな、里桜もいくら愛してるって言っても信じてくれなくてね」
「俺にそういう話を振らないでください」
秀明がさも嫌そうな顔を見せる。振ったのは義之ではなく、秀明の方だったはずだったが。
「も、わかってるから、その話はしないで?」
大きな瞳が義之を見上げる。今日の里桜はやけに甘えん坊だ。
「……里桜は普段はそんな口きかないだろ」
「そんなことないもん」
「ほら、そういうの。あんまりキレイな言葉使うと余計に女っぽく見えるって気にしてたくせに」
初めて聞く意外な情報に驚いた。もしも、今まで義之を騙していたのだとしたら、里桜はそれほど頭が弱いという訳ではないのかもしれない。
「ずいぶんお行儀の良い子だとは思ってたけど」
「こいつ、結構口悪いです」
「秀、何しに来たんだよ」
「おまえが来いって言ったんだろ」
焦る里桜の様子から、秀明の言葉に信憑性が増してしまう。
「僕が会わせてほしいって言ったんだよ。これだけかわいいと、里桜は友達だと思っていても、相手も同じとは限らないんじゃないかと思ってね」
「俺に関しては、絶対ありえないですから」
義之の言いたかったことは秀明には充分に伝わったらしく、強い口調で否定された。


「秀は年上のお姉さんがいいだもんね」
「里桜、俺の話は関係ない」
「僕には物凄く重要だよ」
なにしろ、里桜の傍に置いていても安心かどうかが知りたくて、秀明に会わせるように言ったのだから。
「音楽の先生がね、25歳くらいの若い女の人なんだ。背がすらっと高くって美人で……ちょうど美咲さんみたいな感じ?」
途端に秀明の顔色が変わる。大人びて見えても、年相応な部分があるのだと思うとホッとする。
「秀、ああいうタイプに弱いんだよね」
「うちは男ばっかだから、たまに女らしい人を見ると緊張するだけだ」
「前に美咲さんも男前いないかなって言ってたよ。秀、どう?」
「どうって言われても、何の話だよ」
「義くんの前の奥さんで美咲さんっていうんだけど、すごい美人なんだ。前に、慎みたいに男前で料理ができる彼氏が欲しいって言ってたから」
「俺は高橋のような男前じゃないし、料理なんてできないからな」
義之のいない所で美咲がそんな話をしていたことに驚いた。
「美咲は頭の良い人に弱いから大丈夫かもしれないよ?」
「そうなの?」
「ちょっと小難しい話をするといいよ」
「だって」
振られた秀明が慌てて否定する。
「余計なお世話だよ、今は特に彼女が欲しいとか思ってないからな」
想像してみると、なかなかに似合いの二人のように思えた。とはいえ、おせっかいをするほど義之はお人好しではなかったが。


「恋人がいた方がいいのにな」
「おまえが幸せだってことは嫌ってほどわかったよ」
「認めてもらえてよかったよ」
敵に回したら厄介そうなだけに、秀明が不本意そうとはいえ認めてくれたことにホッとした。
「別に、俺が勝手に里桜を心配してるだけのことだし」
「そういえば、君は里桜と呼んでるんだね?」
「知り合った時、クラスに3人鈴木がいたんですよ」
「だからかな、俺、小さい時から名前で呼ばれることが多いかも」
「呼びやすい名前だしな」
「そうじゃなくて、たいてい“りお”と呼ばれると聞いていたからね」
「ああ、俺もそのクチだったけど、うちの親父が里桜を長いこと女の子と間違えてて。うち女っ気ないから、彼女だと思い込んでたみたいなんです。それから、男友達だって言って呼び方変えたんです」
「俺、いつも制服で行ってたのにさ」
思い出し笑いをする里桜の腕を引きよせる。驚いたように見上げる里桜を構わず強く抱きしめた。こんなつまらないことにも妬ける自分は大人とはいえないかもしれない。
「もう誤解は解けてますから」
慌てて言い足す秀明を無視して、里桜を胸元に抱き直す。素直に身を任せたままの里桜に、小声で囁く。
「お母さんが戻ったら、出かけようか」
「ケーキ?」
嬉しそうに尋ねる里桜に軽く頷く。決して、秀明から出たいろいろな言葉の意味を詰問しようと思っていることは悟らせないように優しく笑いかけた。


「俺、これ以上あてられないうちに帰ります」
もう嫌味を言うことは諦めたらしい秀明が、肩をすくめて立ち上がる。居心地を悪くさせたことを謝る気はなかったが、一応、社交辞令くらいは言っておくことにした。
「週末は僕の家で過ごすから今度はそっちへおいで」
「次は別の奴も連れていきます。俺一人じゃ太刀打ちできそうにないし」
軽く頭を下げる秀明に、里桜がとんでもないことを言った。
「美咲さんも呼んどくね。絶対、秀のタイプだよ」
一瞬言葉を詰まらせた秀明が、首を振る。
「その話はまたな」
義之の膝から立ち上がろうとする里桜の体に回した腕を離す。見送りにくらいは行かせてやらないといけないのだろう。
義之を振り向く秀明が軽く頭を下げる。玄関までついて行った里桜と短い言葉で挨拶を交わすのが聞こえた。どうやら秀明は里桜に甘くないらしい。もしかしたら、里桜を甘やかさない唯一の相手なのかもしれない。
「汗かいちゃったよ」
ぼやきながら戻ってきた里桜に、少し意地悪く尋ねる。
「僕のコーヒーはいつ淹れてくれるのかな?」
「あ、すっかり忘れてた」
里桜が慌ててキッチンへと急ぐ。すぐに、氷の入ったグラスとアイスコーヒーの入ったポットを持って戻ってきた。
「ごめんね、遅くなって」
グラスを受け取って口をつける。乾いているのは喉ではなかったかもしれないが、少しは落ち着いた。


隣へと腰掛けた里桜が、義之を窺うように顔を覗き込む。グラスをテーブルに置いて、里桜を膝へと抱き上げた。
「騙されていたのは僕の方かな?」
「何で?どういう意味なの?」
小首を傾げる仕草が、もしも計算ずくだとしても可愛いと思わずにはいられない。
「ムリして僕に合わせなくてもいいんだよ?」
「別にムリなんてしてないよ?甘い物はしばらく我慢してたけど」
確かに、食べるにしろ眠るにしろ、義之に合わせてくれているわけではなかったが。
「少々荒い言葉を使っても構わないし、もしベタベタされるのが嫌なら」
義之の言葉を遮って里桜が反論を始める。
「言葉遣いが悪いとお母さんがうるさいでしょ?それに、俺はベタベタするの好きだもん」
大きな瞳に見つめられると、あっさり降参してしまう自分が情けない。誘われるままに里桜を抱きよせた。腕を上げて首へと抱きつかれただけで理性が飛びそうになる。キスをねだられる前に、里桜を腕に抱き直して立ち上がった。
「義くん?」
「お義母さんが帰るのを待てないよ、後で電話しよう」
驚いて瞳を瞠った里桜が、小さく吹き出した。夏休みの殆どを義之と過ごした里桜はもっと脆く感じたのに、学校に行き始めた途端に元気になってしまったような気がする。里桜の対人恐怖症を克服させたことを少し後悔した。やはり、仔猫は人見知りなくらいの方が良いようだ。
「義くんが電話してね?俺だと遊び過ぎだとか言われちゃうし」
「わかってるよ」
頷きながら、もしかしたら仔猫は猫を被ったままでいいのかもしれないと思った。



- 猫をかぶった仔猫 - Fin

Novel


BLサイトとしてはどうでもいいことかもしれませんが、
本編中のエピソードのひとつとして、
秀明×美咲というカプができる予定です。